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ユアタリ
筆者
20代ゲイ。映画と漫画好きのしがない会社員。Netflix・Amazonプライムユーザー。長生きはしたくないタイプ。

【黒執事考察】4.悪魔学から見る黒執事

こんにちは!ユアタリです。

前回、作中における葬儀屋の動向をアップしました。

今回は、【黒執事考察】4.悪魔学から見る黒執事 です。

本記事含む、「黒執事考察」における内容の考察以外の「すべて及び一部の引用文章、すべての画像、関連する参考資料など」は、原作者枢やな氏始め、スクウェア・エニックスならびに各権利者に帰属します。本記事を含む、「黒執事考察」すべての記事は、著作権を侵害することを目的としたものではありません。予め、ご理解の程よろしくお願いいたします。

また、何かしら問題のある内容がありましたら、コンタクトフォーム(お問い合わせ)よりご指摘いただきましたら、適宜対応をさせていただきます。ご承知の上、お読みいただきますと幸甚です。

物語の重大なネタバレがあります。ご注意ください。

目次

そもそも『悪魔学』とは?

悪魔学(あくまがく、Demonology)は、神学 (Theology) が神についての学問であるように、悪魔/悪霊/悪鬼/魔神(英: demon、仏: démon、独: Dämon、拉: daemon)に関する考察、説明、分類、その他の体系的記述の総称である。魔神学、鬼神学、鬼神論ともいう。

参照:Wikipedia

実は悪魔学とは、立派な宗教学や民俗学の一部なんです。

神学などが、大学のいち学部として存在していたりしますが、悪魔だけを取り扱ったものはオカルトとして分類されてしまうため、あくまで聖書の中での紹介や、仏教においての煩悩や人外の魔物としての立ち位置ではなく『考え方』としての紹介が多いです。

実在したセバスチャン・ミカエリス

ご存知の方も多いですが、セバスチャン・ミカエリスという人間は、実在の人物です。

しかし、黒執事におけるセバスチャン・ミカエリスとは、当たり前ですが全くの別人です。

セバスチャン・ミカエリス(Sebastian Michaelis, 生没年不詳)は、17世紀のフランスの宗教家。

エクソシストとして名をはせた人物である。天使の階級にたいして9の階級に分類される「悪魔の階級」というものを発表したことでも知られる。エクサン=プロヴァンスの修道女(Axi-en‐p-rovence Nuns)などで有名なイエズス会の大審問官。

エクサン=プロヴァンスに於いて、当時16~17歳の修道女マドレーヌ・ド・ドマンドルに憑いた悪魔を当時のフランスの審問官セバスチャン・ミカエリスが悪魔払いによって地獄へ送り返した。(マドレーヌの名前は、マドレーヌ・ド・ドマンドル、若しくはマドレーヌ・ド・ラ・パリュとされている)

参照:Wikipedia

つまり、黒執事においてのセバスチャン・ミカエリスとは皮肉にも対極の存在にあたる、『悪魔祓い』=エクソシストの人物なんですね。(客観的に悪魔祓いが事実かどうかはさておく)

セバスチャンが現実世界の悪魔だと、どの悪魔に該当するのか?

枢先生が、どこまで設定を決められているのかはわかりません。

しかし、黒執事の主要人物のほとんどは、意図的に本名がなかなか明かされない。

※エクソシストが悪魔を祓う際に、悪魔の名前が必要なので、その流れなのかもしれません。

そこで、セバスチャンはどの悪魔に該当するのかを考えてみました。

考察 セバスチャンの行動から特定を試みる

  1. 黒ミサにおいて、坊っちゃんが真シエル(血族)を犠牲に、神を呪うことで召喚がたまたま出来た。
  2. 召喚後、不定形の描写があるが、その中で動物が登場している。順番でいうと、蝿→蛇→狼→カラス→タコ→ヤギ→コウモリ→獅子。
  3. 契約を結んだ後、坊っちゃんに伯爵の地位を回復させている。
  4. 屋敷をすぐさま復活させ、料理を一瞬で用意している。
  5. サーカス編で、ビーストを「色」で誘惑させ、おそらく性行為(もしくはそれに準ずる行為)をしている。
  6. ケルヴィン男爵の屋敷・黒ミサの会場などを燃やしている。

以上の5点の理由から、

  • 神の敵対者であること
  • さまざまな動物や昆虫に関与していること
  • 契約者(≒召喚者)の名誉と地位を回復させることが可能なこと
  • 言葉巧みに相手を誘惑すること
  • 炎をよく使う

が確定されました。

上記は、ほとんどの悪魔にも共通することなのですが、さらに絞ってみます。

神の敵対者

これは、いわゆる『サタン』とされています。

諸説ありますが、神の敵対者≒サタンは、さまざまな悪魔の名称としても聖書などで記載されています。(時に、さまざまな書物の中ではサタンよりも下級の悪魔の名前で呼ばれる)

話が長くなりすぎるので、要約すると『天界から追放された天使』が今日のキリスト教などにおける悪魔であるとされています。天界における戦争で負け、地獄に堕とされた天使たちのことを堕天使と呼び、悪魔になっているとされているのです。(ヤハウェ・アッラーなどの唯一神以外の神々を、一神教の信者たちは邪教とみなして邪神や悪魔としているとも言われています。これは一神教ゆえの、排他的な信仰心からくるもの。)

サタンはなぜ、神の敵対者となったのか。

これも諸説ありますが、土から創られた人間に対して、『自分たちのほうが優れているのに、神はなぜ人間にのみ愛を注ぐのか』という、疑問・嫉妬・神への不信が堕天につながった原因であるとされています。(イスラム教などでは、基本的に(人間から)神への疑問・不信は、ご法度である。)

天使 対 天使の戦いに勝ったのは、現代において4大天使とそれに属する天使たちとされています。

また、そういった聖書などによる歴史とは別で、悪魔は神とまるで「賭け」をするかのように問答することもあるのです。いわば悪魔は、神への質問者といえるでしょう。

レビ記をお読みになったことがある方は、質問者のほうがしっくりくるでしょうね。

さまざまな動物や虫に関与していること

セバスチャンが作中で姿を現した際に、黒いドロドロとともに見せた数々の動物や虫を確認してみましょう。

蝿・蛇・狼・カラス・タコ・ヤギ・コウモリ・獅子

ベルゼブブ
サマエル、バティン
マルコシアス
カラスナベリウス、ラウム、アモン
タコ不明(ただし、タコは過去にデビルフィッシュと呼ばれていた)
ヤギバフォメット
コウモリ不明(ただし、コウモリの羽は悪魔の羽であるとされている)
獅子ブエル、アロケル、マルバス
その他モラクス、ベリト、ビフロンス
ベルゼブブ説

ベルゼバブ、ベールゼブブとも表記される。新約聖書にもその名がみえる。この名はヘブライ語で「ハエの王」(一説には「糞山の王」、糞の王」)を意味する。

本来はバアル・ゼブル (בַעַל זְבוּל [Ba‘al zəḇûl])、すなわち「気高き主」あるいは「高き館の主」という意味の名で呼ばれていた。これはおそらくと慈雨の神バアルの尊称の一つだったと思われる。 パルミュラの神殿遺跡でも高名なこの神は、冬に恵みの雨を降らせる豊穣の神であった。一説によると、バアルの崇拝者は当時オリエント世界で広く行われていた、豊穣を祈る性的な儀式を行ったとも言われる。

しかし、イスラエル(カナン)の地に入植してきたヘブライ人たちは、こうしたペリシテ人の儀式を嫌ってバアル・ゼブルを邪教神とし、やがてこの異教の最高神を語呂の似たバアル・ゼブブすなわち「ハエの王」と呼んで蔑んだという。これが聖書に記されたために、この名で広く知られるようになった。

嵐といえば、ファントムハイヴ邸連続殺人事件編を思い起こさせます。

 サマエル説

その名は「神の毒」、「神の悪意」の意味をもつ。赤い蛇と呼ばれることもある。

サマエルは謎が多く、元々はローマの守護天使、火星の天使、エデンの園に棲んでいた蛇など、様々な説がある。そのため、カマエルやサタンと同一視されることもある。

旧約聖書の創世記において、蛇がイヴに知恵の木の実について教え、イヴとアダムは、その実を食べる。そのために、創造主たる神は蛇を呪い、人に生の苦しみと死の定めを与え、人間は死を免れることができなくなったと書かれている。カバラにおいては、この蛇がサマエルとされている

バティン説

レジナルド・スコットの『妖術の開示』1655年版では、パイモン、バティン、バルマを呼び出し、その恩恵を受ける方法が書かれている。この書によれば、バティンは炎の源泉の深い領域に属しているという。ルシファーの使い魔の二番手であり、地獄の位階の中でも敏捷さと愛想のよさでは並ぶものがないとされる。

召喚されると、青ざめたウマに乗りヘビの尾を持つ屈強な男の姿で現れる。薬草や宝石の効能を知り、人を国から国へとあっという間に運ぶ力を持つ

セバスチャンは筋骨隆々ではありませんが、悪魔ゆえに強いので…。(笑)こちらも炎の使い手です。

マルコシアス説

『ゴエティア』によるとグリフォンの翼との尾を持ち、口からはを吹く狼の姿で現われ、召喚者の命令によって人間の姿になるという。強力な戦士であり、全ての疑問に正しい回答をする。また、取引をする召喚者に対してとても誠実である。

セバスチャンは、契約の詳細を詰める際に、人間の姿になりました。

ナベリウス説

召喚されると、カラスの姿で現れ、しわがれた声で話すという。あらゆる人文科学、自然科学を教え、特に修辞学に長けているという。また、失われた威厳や名誉を回復する力を持つともいう。

別名のケルベロスにあるように、ギリシア神話のケルベロスと関連付けられることもある。コラン・ド・プランシーは『地獄の辞典』においてナベリウスを「ケルベロス」の項目で扱っており、三つ頭のもしくはカラスの姿で現れるとしている。M・L・ブルトンによる挿絵では、三種類の犬の頭と鳥の脚と尾を備え、貴族風の服を着た悪魔が描かれている。

家庭教師としても活躍するセバスチャン。そして、坊っちゃんを伯爵の地位に回復させました。

貴族風の服を着ているのも、またセバスチャンに共通します。

ラウム説

『ゴエティア』によると、30の軍団を率いる序列40番の地獄の大いなる伯爵

召喚者の前にカラスの姿で現れるが、望めば人間の姿にもなる。王侯の屋敷から財宝を盗み出し望みの場所へ移動させたり、都市を破壊したり、人の尊厳を大いに貶めることができるという。また過去・現在・未来の情報を教えたり、敵と和解させたりもできるとされる。

こちらも人間の姿になる。

瞬間移動(高速移動?)が可能なセバスチャンに共通していますね。

アモン説

悪魔の君主の中で最も強靭であるとされる。口元からを吐き出しヘビの尾を持つ狼の姿で現れるが、魔術師が人間の姿を取ることを命じると、口元から犬のを覗かせたワタリガラスまたはゴイサギの頭を持つ男性の姿を採るという。コラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』の挿絵ではフクロウの頭と狼の胴と前足、の尾を持つ姿が描かれている。

自分を召喚した者に過去と未来の知識を教え、人同士の不和を招いたり逆に和解させたりできるという。

いろいろと騒がしいですが、様々な動物の姿をしており、炎を吐き出します。

バフォメット説

両性具有で黒山羊の頭と黒い翼をもつ姿で知られるようになり、魔女たちの崇拝対象となった。ただし必ずしもこの姿に限定されている訳ではない。

「メンデスのバフォメット」の腕には、上がっている方(右腕)に「Solve」(溶解させる)、下がっている方(左腕)に「Coagula」(凝固させる)、と記されている。これは中世錬金術のラテン語「Solve et Coagula」が元であり、「溶かして(分解して)固めよ」「分析して統合せよ」「解体して統合せよ」といった意味となり、卑金属から貴金属を作り出す狭義の錬金術だけでなく、人間の知のあり方や、世界の変革という広義の錬金術にまで、幅広く応用される言葉である。

黒ミサといえばバフォメット。黒執事の黒ミサで現れたのは、セバスチャンでした。

ブエル説

太陽が人馬宮にある時に現れ、自然哲学、道徳哲学、論理学や全ての薬草の薬効を教え、全ての弱った人、特に男性を癒し、よい使い魔を与える

『地獄の辞典』第6版以降のM・L・ブルトンによる挿絵では、ライオンの頭と5本のヤギの足を体の周りに持つ姿で描かれており、今ではその姿の方が有名である。

学校の先生になることも容易いセバスチャン。坊っちゃんのみならず、寄宿学校ではさまざまな教養を披露しました。

そして使い魔として思い当たるのは、バルト・メイリン・フィニの3人でしょうか。

アロケル説

立派な馬にまたがった、燃えるような目を持つ真っ赤なライオンの頭を持った兵士の姿で現れる。その目を覗き込んだ者は自分の死に様が見えるとされ、ショックでしばらく目が見えなくなると言われる。その話しぶりはしゃがれて大きいという。天文学や教養学を教え、また優れた使い魔を与えてくれる。

燃えるような目といえばセバスチャンです。教養や使い魔もしかり。

マルバス説

召喚されると、強壮なライオンの姿で現れる。召喚者が命じれば、人間の姿を取る。隠されたものや秘密に関する質問に真摯に答えてくれる。また、疫病をもたらす力とそれを治す力を持ち、工芸に関する優れた知識も有しているとされる。人の姿を変化させることもできるという。

アニメでは黒死病(ペスト)を流行らせたと語るセバスチャン。

モラクス説

大いなる伯爵にして総裁であり、36の軍団を率いている。

召喚した者の前に男の顔を持つ大きな雄牛のような姿で現れるという。また、天文学やその他の教養学に精通させ、使い魔を与え、薬草や宝石が持つ力についての知識を与える能力がある。

双子座のシリウスなど、天文学も登場する黒執事。関係は…?

ベリト説

召喚者が頼めば、ベリトは過去・現在・未来の質問に真摯に回答してくれる。また、金属を黄金に変える力、および人を尊厳をもって飾る力を持つ。しかし、ベリトはしばしば嘘を付くため信用してはならないという。ベリトと話す際には、指輪を用意し、『ゴエティア』に記されている別の悪魔ベレトと同じように相対しなければならないとされる。

一方、セバスチャン・ミカエリスによれば、バルベリトは第一階級の悪魔の一人として殺人と冒涜を司り、聖バルナバの敵対者である。

悪魔といえば、嘘つきだが、セバスチャンは契約により契約者=坊っちゃんには嘘を吐かない。また、坊っちゃんはファントムハイヴ当主の指輪を所持していることから、黒執事に共通した内容となっている。

以上から、どの悪魔にも通じていることから、どの悪魔であるかどうかは、なかなかどうして特定しづらいでしょう。

あえて選ぶなら

作中、セバスチャンは人間の魂を量より質で選定している。というのも、食べ散らかすことに飽きたからだというからだ。であれば、悪魔としては、下級ではないことの証明でしょう。少なくとも、中級〜上級クラスの悪魔が該当するのではないでしょうか。

上記のリストの中では、ナベリウス、ベリトがセバスチャンに近いのかもしれません。

セバスチャンと坊っちゃんの契約

契約内容1:契約者に嘘を吐かないこと

この契約1以降、悪魔は坊っちゃんに対して嘘はつかない。

この契約に確認で、坊っちゃんは悪魔の「死者を生き返らせることは可能なのか?」と質問している。

ただし、悪魔はここで少し沈黙を置いてから「穏やかな時間を約束しますよ」としか答えておらず、正確な答えを返していない。つまり、可能か不可能かを明言していないので、結局のところ不明。(坊っちゃんは契約1の後に聞き直す必要があった)

契約内容2:契約者の命令に絶対服従(付帯条件:契約者が「命令だ」と言ったときのみ)

例外として、「『願いを増やす』、『願いを取り消す』ことはできない」と契約1以降に言っている。

契約内容3:契約者が復讐を遂げるまで裏切らずに守り抜くこと

復讐の対象僕らをこんな目にあわせた奴らとその黒幕
黒幕の定義今後見極める

期限:契約者の復讐が完了するまで(契約者が病気などで死亡した場合はこの限りではない)

報酬:坊っちゃんの魂(報酬の受け取りは、契約の期限後)


以上がセバスチャンと坊っちゃんの契約のまとめ。

基本的に悪魔を喚び出すためには、代価が必要であり、黒執事においては『現世への渡り賃』として真シエルの魂を食っています。また、契約に対しての代償を後払いで契約者の魂(=坊っちゃんの魂)を払わなくてはなりません。

黒執事においては、坊っちゃんによる『神への恨みの声』と、『代償』をトリガーにセバスチャンが召喚されました。

そして、人の姿をかたどったセバスチャンは、ディズニーのジーニーのように、いろんな姿になったり、魔法のように悪魔の能力を披露します。

悪魔召喚は偶然か?それとも必然か?

真シエルと坊っちゃんが1か月かけ熟成(?)された後に、黒ミサで魔法円の真ん中にいる真シエルはナイフを刺され、坊っちゃんは呪いの言葉を吐く

たったこれだけで、悪魔召喚は可能なのだろうか。

悪魔は、みだりに出現することはなく、高位であればあるほど召喚が難しいものとされている。そもそも、悪魔召喚の目的は、黒ミサに参加していたものたちは統一されていなかった。であれば、『召喚されることがない』前提で黒ミサを開催していたことになり、過去に同じようなことをしても、今までは召喚されなかったということになる。

ここに、黒執事のストーリーとして〈悪魔召喚の理由〉があると思われる。つまり、理由がなければ、セバスチャンは坊っちゃんと契約することがなかった。予め決められた儀式で、何者かにセッティングされた召喚だった。(もしくは、ファントムハイヴの血縁でなければ召喚ができなかった)ということも推測できる。

そして、おそらくこのような契約を結ぶだろうという予測をたてた上で、暗躍した人物は、真シエルなのか、それとも女王なのか、はたまたヴィンセントなのか。ここで全く無関係の人物だったり、未登場の人物が黒幕であることは非常に反感を買う(というより、面白みがない)。なので、すでに登場している人物で最もそれらしい配置にいるのは、真シエル・女王・ヴィンセントの3名となってしまう。

『フランス』

シエル(日本語で空)という名前や、ドイツ語よりも難しいフランス語を流暢に話すことなどから、フランスがファントムハイヴと関わりがあることが黒執事ではたびたび見受けられます。

であればフランスという国に焦点をあて、また、悪魔学や坊っちゃんやその血縁を軸に考えてみると、もしかしたら黒幕に近づくことができるかもしれない。

ファントムハイヴ家はフランス出身である可能性

そもそも、ファントムハイヴ家が代々英国王室の番犬として暗躍する理由とは何か?という話。

それは、貴族にする(爵位を与える)代わりに、王室に絶対的な忠誠を誓うことではないだろうか。それが、国外からやってきたものを貴族にする理由だったりしたら非常に面白い。

もしくは、爵位こそカモフラージュだったのか…?

セバスチャンは過去にフランスにいた

実際に存在した『セバスチャン・ミカエリス』はフランスにいたし、黒執事のセバスチャンは、過去にシェーンブルン宮殿にいた発言をしている。その当時の契約相手がもし、ファントムハイヴの祖先だったなら…。

悪魔は契約した相手を忘れはしない

すべて、というわけではないが、悪魔は契約した相手を忘れはしないそうだ。ということは、非常に契約において慣れていることから、何枚も上手なのが当たり前ということだ。過去の契約相手がもし、ファントムハイヴの姓だったなら…。

以上から、導かれるぶっ飛び考察

  1. 過去にフランスに存在したファントムハイヴ家は、悪魔と契約していた可能性
  2. 過去にフランスから亡命し、イギリスに身を寄せたファントムハイヴ家は、爵位を得る代わりに番犬となった可能性(逆もしかり)

これらがもしあり得たのであれば、やはりヴィクトリア女王は英国にとって脅威となるファントムハイヴを一度は消そうとしたのではないでしょうか。番犬として、英国にとって利するよう行動させ、また力をつけすぎないように監視をする…。そのためのファントムハイヴ家襲撃だった…?

そしてこれはヴィンセントが、あまりにも知恵の働く存在だった証拠なのではないか、とも言えます。

疑問点

黒ミサに死神がいない

悪魔召喚の結果、複数の人間が死ぬというのに、その場に死神が一人としていない。これはなぜだろう。リストを持っている死神たちは、すべての人間の死を認知しているはず。悪魔召喚の場だからだろうか。しかし、後に悪魔召喚の場に現れたのは、元死神の葬儀屋だった。

ということは、現役の死神たちと葬儀屋は、戦っていたのか…?

女王は悪魔を快く思っていないのか

もし、女王が人外の存在を知っていたなら、当然悪魔の存在も知っているはず。コントロールできそうにないなら抹殺しようとし、ファントムハイヴの血縁に悪魔の手が及ぶなら、(サリヴァンにように)管理下に置こうと思うのではないだろうか。

いずれにせよ、謎は深まる

悪魔を証明することが難しいように、黒執事の黒幕を上記のみだけで考察することは、非常に難しい。ただ、〈悪魔召喚の理由〉がきっと存在するだろうし、そこに悪魔学から見た事実が描かれることがあるだろうと思われる描写が、いくつもある。現実世界の悪魔と、黒執事世界の悪魔がつながるとき、史実は本当にこうなのかという見方もできる。

枢先生があそこまで双子を隠せていたのだから、物語の核となる部分は、魅力の極みにほかならない。

なぜ黒執事は現代的なのか

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